富士山
デザイン部門審査員特別賞
久冨 花奈 様
大村美容ファッション専門学校
作品説明(エントリーシートより)
私の作品のテーマは「富士山」です。富士の青と白の2色だけで作られる優美な風貌。その2色を用いて、ドレスを制し、富士山のような人々を魅了する作品にしたいという思いも込めてこのテーマに決めました。
ブックオフで素材を探している時首元がよれていたり、黄ばんでいる白のTシャツをたくさん見つけどうにかして生まれ変わらせる事が出来ないかと考え、このデザイ画を描きました。なぜ白いTシャツを使用するのに、デザイン画では紺色で着色されているのかと言うと藍染めという方法を使おうと思ったからです。なぜ藍染めなのかと言うと藍染めには虫をよせ付けない防虫効果、汗臭さなどを抑える防臭効果、保温効果、紫外線防止効果など沢山の効果があり襟元の黄ばみを濃紺で目立たなくすることもできるためこの方法でリメイクする事にしました。
ですが私は藍染めのことは無知だったため、休み期間を利用し福岡の伝統工芸品、久留米絣の伝統を守り続けている藍華田中絣工房さんに足を運び、藍染体験を通して沢山の事を教えて頂きました。適切な温度や正しい染色方法、模様染めの仕方などを優しく教えて頂き、理想の色に染める事が出来るようになりました。
次にこの作品のアピールポイントを説明させていただきます。まず、3枚のスカートは藍の液につける回数で変化する藍の濃淡を表現しました。家のキッチンで30枚以上のTシャツを大きな鍋を使用して納得のいく色になるまで何度も染め直しました。そしてドロストにすることで着用するモデルの身長に合わせて丈を変えられるようにしました。 Tシャツの丈や幅はそれぞれ違うのでパッチワークにして、同じ段のスカートは、同じ時間で藍染、酸化させていますが、素材で染まり方が違うところもポイントです。トップスのキャミソールは模様染めで生まれ藍染めの美迫力を現しました。ボティスーツのようなディテールで、女性らしい体のラインを強調し、スカートのボリュームとのバランスをとるためにあえてシンプルなキャミソールにしました。帽子は布を藍染めするのではなく、糸に藍染めを施し、その糸を折り合わせ美しい織物にする久留米絣の方法からインスピレーションを受け、スカートなどを裁断する際に出た藍染めした布の切れ端をかぎ編みし、帽子を作りました。