Catalyst
デザイン部門準グランプリ
川口 智加 様
大阪文化服装学院
作品説明(エントリーシートより)
作品のアピールポイントは、デザイン画通りのボリューム感を実現し、さらに良いものにするために選ぶ素材にこだわり、アップサイクルすることでより価値を高め長く多くの人に着てほしいという思いを込めて作成した部分である。
素材については、ワンピースやスカート、ブラウス等の中から同じような素材を選択することで統一感を意識した。また、ファスナーやドローコードをそのまま使用する中でダウンジャケットに合うようにファスナー部分を膨らませたり、ダウンジャケットの中綿の部分は学校の作品作りでトワルを組んだ後のチュールや今回頂いたナイロンの服の端切れを中に入れることでできるだけ軽くシルエットを表現することができるように工夫した。頂いた古着を服の形のまま使用するのではなく、分解し1枚の生地や1つのパーツとして使用し、新品の生地と合わせてアップサイクルすることで普段古着に抵抗がある人にも興味を持ってほしいという思いを込めた。
今回のコンセプトである「日常で忘れがちな美しいものに気づくきっかけになりたい」という思いは、海外旅行で日本に来て桜の写真を撮影している人を見て改めて日本の素敵なところを考えるきっかけになったことから多くの人に伝えたいと思い桜に関連し、花柄の生地を使用した。実際にお店で古着を選ばせていただいている時も、着る機会がなくなった洋服を捨てるのではなくお店に持って行くという行動も美しいものの一つであると感じた。
花柄の服も滅多に同じ柄に出会うことがないということを実感し、今回の作品で使用した花柄の組み合わせもバランスを考え、色の系統を約3色に絞って製作した。同じ色を使っていても花の配置のバランスや、大きさによって全く違う印象になるということも実感し勉強になった。今回のReclothes Cupを通してただアップサイクルするだけでなく、その後も多くの人に作品を見てもらい、着てもらうことにより洋服の価値は益々高まっていくと考えたため、多くの人々が一度は見たことがあると思うダウンジャケットと花柄の組み合わせた今回の作品を通して、新たな付加価値を生み出し、日常で忘れがちな美しいものに気づくきっかけになりたい。